テクニスシナジー
テクニスシナジー(TECNIS Synergy)は、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン社が開発した、最新のハイブリッド型多焦点眼内レンズです。
当院でも取り扱っている、焦点深度拡張型レンズ「テクニスシンフォニー」と2焦点型レンズ「テクニスマルチフォーカル」を組み合わせた進化型レンズともいわれ、遠方・中間・近方を連続的に見ることができます。欧米では既に有益な効果が出ているレンズで、日本では2021年4月より使用が開始されています。詳しいレンズの特徴については、下記の内容を参考にしてください。
テクニスシナジーの特徴
広い明視域と遠方から近方に及ぶ連続的な見え方
先述した通り、テクニスシナジーは遠方から中間にかけての見え方を重視したテクニスシンフォニー(焦点深度拡張型レンズ)の構造と、近方の見え方を重視したテクニスマルチフォーカル(2焦点眼内レンズ)の構造を組み合わせた、ハイブリッド型眼内レンズです。
これにより、手元約33㎝から中間・遠方までを眼鏡なしで見ることができ、広範囲な明視域を持つことを可能にしました。さらに、遠方・中間・近方の3箇所をぼやけることなく連続的に見ることができるため、従来の眼内レンズよりも鮮明に見える効果が期待されます。
コントラスト感度が低下しない鮮明な視界
従来の多焦点レンズでは目から入る光エネルギーの分散によって、視力のコントラスト低下が問題視されておりました。しかしながらテクニスシナジーは“ChromAlign™ Technologys”デザインにより、低照度下においても瞳孔径に左右されずに焦点範囲全体でコントラストを維持できるようになりました。
例えば、通常明るい場所での瞳孔径3㎜の場面と、瞳孔径が大きくなる暗い場所での瞳孔径5㎜の場面において、3焦点眼内レンズとテクニスシナジーを比較してみても、コントラスト感度は低下しないことが分かります。
例えば、通常明るい場所での瞳孔径3㎜の場面と、瞳孔径が大きくなる暗い場所での瞳孔径5㎜の場面において、3焦点眼内レンズとテクニスシナジーを比較してみても、コントラスト感度は低下しないことが分かります。
紫色光をフィルタリングすることにより、異常光視症を低減
夜間運転時による効果
多焦点眼内レンズは広い明視域を持つため、夜間の運転中に照明灯を見ると、光の周りに輪が現れ円形に見える「ハロー」現象や、光の周りがぼやけて広がりまぶしく感じる「グレア」、光の中心から星形や四方八方へ伸びる「スターバースト」など、異常光視症が現れてしまうデメリットがありました。
しかしながらテクニスシナジーに関しては、紫色光をフィルタリングしているため、日常生活レベルで「ハロー」「グレア」「スターバースト」の異常光視症を低減することを可能にしました。※ただし、光の強さによっては異常光視症が現れてしまう可能性もあります。
スマートフォンなどの電子機器使用時による効果
近年スマートフォンを始めとする電子機器類は普及し続けており、日常生活において無くてならない存在となっています。現に55~64歳の約7割の方が、日常生活においてスマートフォンなどを使用している調査結果もあり、白内障手術をした後でも手元から遠くまで不自由なく見ることが求められる時代になってきています。
このような時代の中で、テクニスシナジーはバイオレットライトフィルターを搭載しているため、紫色光をフィルタリングすることを可能にし、LED光源に多く含まれる紫色光による異常光視症を低減させながら高いコントラスト感度を得ることができます。
乱視矯正にも対応可能
テクニスシナジーは乱視矯正タイプの眼内レンズも製造しているため、乱視眼にも対応可能です。乱視は角膜や水晶体にゆがみから、ものが2つに見えたりゆがんで見えたりします。
そのゆがみの正しい角度を測定するため、当院では目の見え方についてさまざまな角度からシミュレーションと解析を行う検査器「高次収差計(KR-1W)」を用いて、正確な乱視度数の計測を行っています。
※乱視矯正レンズの必要性および適正については主治医の判断になります。
乱視に関して疑問点などありましたら、主治医またはスタッフまでお気軽にご相談ください。
製品仕様の紹介(レンズの仕様)
テクニスシナジーの手術費用
テクニスシナジーは多焦点眼内レンズとなります。患者さんの目の状態により適応が違いますので、お電話でのお問い合わせにはお答えできません。