白内障手術後の通院について
白内障の手術を受けたら、手術後、定期的に診療を受ける必要があります。
1週間後まで
手術翌日、2日目、3日目、1週間後に診察を受けます。
1週間後~1ヵ月後
週に1度の頻度で、経過観察のためにご来院いただきます。
1ヵ月後~3ヶ月後
1ヶ月に1回~2回の通院が必要です。
白内障の合併症と手術後の注意点
手術後は、細菌感染を防ぐために、目周辺に触れないよう、そしてホコリなどが入らないよう十分ご注意ください。
また、手術後の点眼は、医師の指示を守り、決められた量、決められた回数の点眼を必ず行ってください。ご自身で判断して回数や量を減らすことは絶対に避けてください。
白内障は成功率が極めて高い手術ですが、外科手術である以上、合併症は存在します。特に注意が必要なのは傷口からの細菌感染です。
手術前には目の周囲を丁寧に消毒しますが、それでもまつ毛の生え際に細菌が潜んでいることがあり、その細菌が切開部分から侵入し化膿することがあります。また、手術後に目の周辺を触ったり、ホコリが入るなどにより細菌が侵入する場合もあります。
手術後に細菌感染により化膿が起きた場合、眼洗浄し再手術を行います。回復しない可能性もありますので、手術後、創が治るまでは目周辺に触れないよう、そして異物が入らないようご注意ください。
まれに起こる合併症
近年、白内障手術は技術が向上しており、合併症の数は少なくなっていますが、まれに以下のような合併症が起こる可能性があります。
眼内炎
手術後、数日以内に起こる可能性があります。手術後の細菌感染による炎症で34人に1人の確率で起こるといわれております。1日~2日で急に目が見えなくなることもあります。目の充血、激しい痛み、目のかすみなどがある場合は、すぐにご相談ください。
駆逐性(くちくせい)出血
手術中に血圧上昇があったり、強く緊張したり、咳込んだりするなどの負荷がかかることで、稀に眼の奥の動脈から出血が起こることがあります。発症頻度は少ないですが、視力に大きな影響がでます。手術後、視界が悪くなった場合はすぐにご相談ください。
黄斑浮腫
眼底にある黄斑部が浮腫(ふしゅ:むくみ)を起こす合併症です。浮腫により視力が一時的に落ちるため、点眼薬やステロイド剤の注射を行って回復を待ちます。
水疱性角膜症
角膜内皮細胞になんらかの障害が起こり、角膜内に浮腫ができ、水がたまる合併症です。角膜が剥がれやすい状態になるため、強い疼痛が起こります。治療には角膜移植が必要になります。
後発白内障
白内障手術後、眼内レンズの後ろにある後嚢が混濁する合併症です。手術の数ヶ月~数年後に発症します。レーザーによる治療で視力回復が可能です。