続発開放隅角緑内障とは
続発開放隅角緑内障とは、眼の他疾患や全身疾患、薬物の副作用が原因で発症する緑内障で、隅角が塞がっていない開放隅角緑内障です。続発開放隅角緑内障は、原因によって4つに分類されます。
線維柱帯と前房の間に房水流出抵抗の要因がある続発開放隅角緑内障
【疾患例】
血管新生緑内障
糖尿病の患者さんが糖尿病網膜症を併発し、その新生血管が原因で起こる緑内障です。
異色性虹彩毛様体炎による緑内障
異色性虹彩毛様体炎とは慢性的に虹彩と毛様体が炎症を起こし、それが原因で房水の流れが悪くなり発症する緑内障です。
前房内上皮増殖による緑内障
角膜上皮細胞・結膜上皮細胞が、外傷や眼内手術などが原因で眼球内に侵入し、増殖することで房水排出に障害が起こり発症する緑内障です。
線維柱帯に房水流出抵抗の要因がある続発開放隅角緑内障
【疾患例・薬物例】
ステロイド緑内障
アトピー性皮膚炎などで長期間使用するステロイド薬が原因で起こる緑内障です。
※ステロイド薬に反応してしまう方が発症する緑内障で、ステロイド薬を使うと緑内障になるというわけではありません。
落屑緑内障
偽落屑症候群という瞳孔の縁や水晶体の表面に白い付着物がある疾患が原因で発症する緑内障です。白い付着物が線維柱帯につまり房水の流れに障害を与え緑内障の原因となります。
原発アミロイドーシスに伴う緑内障
アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれる水溶性でないタンパク質が様々な神経に沈着して機能障害を引き起こす病気です。その治療に使うステロイド薬に反応する方が、緑内障を併発してしまう場合があります。
ぶどう膜炎による緑内障
ぶどう膜とは、眼球の内側にある脈絡膜(みゃくらくまく)・毛様体(もうようたい)・虹彩の3つの総称です。ぶどう膜炎の炎症によって、房水の流れが悪くなり、緑内障を発症します。
水晶体に起因する緑内障
水晶体嚢性緑内障と呼ばれ、成熟白内障が原因となる緑内障です。
外傷による緑内障
外傷性緑内障と呼ばれ、何らかの外傷が原因で房水の流れに障害を与え発症する緑内障です。
硝子体手術後の緑内障
糖尿病網膜症など、硝子体手術後に房水の排水が悪くなり発症する緑内障です。
白内障手術後の緑内障
もともとの眼の状態の影響にもよりますが、白内障手術後の炎症が原因で房水の流れが悪くなり緑内障を引き起こす場合があります。
角膜移植後の緑内障
角膜移植手術を行うと、手術後に長期にわたりステロイド薬の点眼が必要となります。ステロイド薬に反応した方が、緑内障を発症する場合があります。
眼内異物による緑内障
何らかの過程で、鉄を含む異物が眼内に入り、眼球鉄錆症(てつさびしょう)を起こして緑内障が発生する場合があります。
眼内腫瘍による緑内障
眼球内の腫瘍が原因で、房水の流れを妨げ発症する緑内障です。
シュバルツ症候群
網膜剥離を患っている方が発症している緑内障で、網膜剥離の手術を行うことによって症状が改善する場合があります。原因は明確になっておりませんが、眼圧が高い場合は、網膜剥離の有無を確認する必要があります。
色素緑内障
虹彩の色素上皮が遊離し、線維柱帯に付着し、房水の流れを妨げることで発症する緑内障です。欧米の若年者に多く、日本ではめずらしいです。
シュレム管より後方に房水流出抵抗の要因がある続発開放隅角緑内障
【原因例】
眼球突出に伴う緑内障
眼窩内(眼球が入っている頭骨の穴)の炎症や腫瘍により房水が排出される静脈の内圧が高まって流れがせき止められてしまい発症する緑内障です。
上眼静脈圧亢進による緑内障
スタージ・ウェーバー症候群(脳内の軟膜血管腫と顔面ポートワイン斑と緑内障を伴う神経皮膚症候群)による血管異常により静脈圧が亢進(こうしん)し、眼圧が上昇する場合があります。
房水過分泌による続発開放隅角緑内障
何らかの原因で房水が過剰に分泌し、排水とのバランスが取れなくなり発症する緑内障です。