オルソケラトロジーについて

オルソケラトロジーの治療に使用する乱視用のレンズが発売されました。

当院でも対応しておりますのでご相談ください。

オルソケラトロジーとは

夜、寝ている間にコンタクトレンズを装用し、朝起きた時にレンズを外す近視矯正法です。日中は、裸眼で過ごすことができるのが大きな特徴です。
高酸素透過性ハードコンタクトレンズであるオルソケラトロジー用のコンタクトレンズは、就寝時に装用することで角膜の形状を変化させます。起床してから外しても日中は変化した角膜の形状を維持できるため、裸眼で生活することができます。

治療の1日の目安スケジュール

治療の1日の目安スケジュール

オルソケラトロジー用レンズ

当院では、オルソケラトロジー用レンズに「マイエメラルド」を採用しております。

マイエメラルドの特徴

  1. オルソケラトロジー発祥の国アメリカをはじめ、ヨーロッパ・アジア各国等、長年にわたる世界中での実績。
    日本国内でも取扱い実績No.1のレンズになります。
  2. Auto-Fit™systemによる、優れたレンズセンタリングと、他社レンズよりも早い矯正効果
    ※矯正効果は近視の度合い等個人差がございます。
  3. レンズ素材は、高酸素透過性コンタクトレンズの世界的な代表製品Bostonシリーズ(ボシュロム社)を採用。
    国内臨床試験でもレンズ装用期間中、角膜内皮細胞数に有意差のない結果が出ており、角膜にやさしいレンズです。

オルソケラトロジーの安全性

オルソケラトロジーは、アメリカで30年以上前から研究・施術され、現在、アメリカ・ヨーロッパ・アジアを中心に、世界各国でその安全性と効果が認められ、実施されております。レーシック等の外科的手術と異なり、レンズの装用を中止すれば、角膜の形状は元に戻りますので、安心してお使いいただけます。

また、日中装用のコンタクトレンズとくらべても、夜間の装用なので、ほこり等が目に入ったりせず、レンズを紛失する心配も減るなど、安全・快適にお使いいただくことが出来、リスクは一般のコンタクトレンズと同等またはそれ以下となります。

使用するレンズ

当院で使用しますオルソケラトロジーレンズ:マイエメラルド(Emerald™)は、米国FDA・ヨーロッパCEマーク認可の長年世界各国で使用実績のあるレンズになります。アジア各国でも長年使用実績があり、日本国内でも複数の大学病院にて臨床試験が行われ、日本人の角膜形状に対して効果と安全性が厚生労働省に認可されております。

オルソケラトロジーのメリット

日中の眼鏡・コンタクトレンズが不要

日中の眼鏡やコンタクトレンズが必要ない眼鏡やコンタクトレンズ装用から解放されたい方に向いた矯正方法です。コンタクトレンズは時間が経つとゴロゴロしてきたり、充血することがよくありますし、職業などによって眼鏡をかけられないケースもよくあります。こうした不便を解決できます。

裸眼で安全にスポーツできる

裸眼で安全にスポーツできる眼鏡やコンタクトレンズ装用は、サーフィンや水泳、スキューバダイビングなど水中のスポーツには向きませんし、他にも思い切ったプレイができないスポーツは多いものです。オルソケラトロジーは日中裸眼で過ごせるため、どんなスポーツでも全力で楽しめます。

手術の必要がない

手術の必要がないレーシックなど、手術で裸眼の視力を回復させる方法もありますが、「感染症が不安」「手術は怖い」という方は多いものです。オルソケラトロジーは夜間の就寝時にコンタクトレンズを装用するだけですので、手術に抵抗がある方でも安心して受けられます。

取り扱いも簡単

取り扱いも簡単基本的にハードコンタクトレンズと同じ使用感であり、お手入れ方法も変わりません。夜間の就寝時に装着するため、ほこりなどによるダメージを受けにくく、眼への負担も軽くなります。また、装用したまま表で活動しないので紛失や破損の可能性も低減します。

日本国内治療結果

臨床試験で視力矯正効果に関して有効性が認められました。
(有効性評価対象の88眼のデータ)

有効性評価結果

評価
極めて有効(1.0以上) 84.1
有効(0.7以上1.0未満) 12.5
やや有効(0.5以上0.7未満) 3.4
無効(0.5未満) 0

有効性評価

※有効性評価は適応範囲を球面度数:-1.00D~-4.00D、円柱度数:-1.50D迄の症例とし、装用期間が3ヶ月以上を満たしている88眼の装用最終日で評価しています。

※また、適用範囲外(球面度数-4.00Dを越える、又は円柱度数が-1.50Dを越える)の症例眼で装用期間が3ヶ月以上を満たしている5眼についても、装用最終日の評価では極めて有効(1.0以上)を得ていました。

裸眼視力の経時変化

有効性の経時テキ推移

※装用翌日から効果が現れ1週、2週にかけて短期間で視力矯正効果が現れました。
*36週の無効、53週のやや有効は検査前日にレンズを装用していない被験者が
あった為の数値です。

満足度調査

適用範囲外を含めた全症例での臨床試験後に行われた被験者満足度アンケートの結果

満足度調査

※不満と回答された1人(2%)は治験期間が1週と短い症例(自己都合)でした

持続時間

各定期検査時の問診表での自覚的な持続時間の分布

自覚的持続時間の経時推移

※全症例(適用範囲外の眼を含む)の各定期検査時の問診表で記入された、被験者の
自覚的な持続時間であり、その裸眼視力の値は不明です。

※4週迄に患者の約90%が8時間以上視力が持続すると回答し、その後も徐々に増加していきます。

※16時間以上の群には32時間、36時間、42時間と回答されている被験者も多数含まれています。

治療の流れ

適応検査

適応出来るかどうかの検査を受けます。

テストレンズ装用

実際にレンズを装用していただき、レンズのフィッティングや装用感・効果をご確認いただきます。

処方レンズ決定

眼科医が個々の角膜形状に合ったレンズを処方します。

装用開始

装用スケジュールを正しく守ってレンズを使用していただきます。

レンズ装用後の定期検査について

「マイエメラルド」は全ての方にお使いいただけるわけではありません。レンズの装用を始める前に、まずは眼科にて眼の状態や角膜の形状などを適応できるか等を判断します。
「マイエメラルド」の装用が適応と判断された場合でも、矯正効果・効果の持続時間等については個人差があります。

定期検査例

装用開始翌日

装用1週間後

2週間後

1ヶ月後

以後3ヶ月毎
または眼科医の指定する
定期検査

治療に適さない方

オルソケラトロジーは、どなたでも治療が受けられるものではありません。医学的に難しい場合等あります。検査や診察を行った上で、眼科専門医が最終的に治療可能かどうかを判断します。まずは、ご相談ください。

医学的な理由でオルソケラトロジー治療が難しい例

  • 強度の近視、乱視、ドライアイ
  • 眼科疾患があるか、眼科疾患で治療中
  • コンタクトレンズやケア用品によるアレルギー
  • レーシックなど外科手術をすでに受けている
  • 円錐角膜の兆候が認められる

よくある質問

矯正効果は日中、どのくらい持続しますか?

矯正効果は個人差があります。装用初期には夕方になると効果が少し低下する場合がありますが、約1週間前後の装用を続けていくことで持続時間が長くなっていき、日中の視力が安定していきます。

就寝時にコンタクトレンズをつけたままで大丈夫でしょうか?

コンタクトレンズ装用に関しては、日中より夜間の就寝時の方が目に優しいです。日中の装用では、ほこりや花粉などが入る可能性がありますし、頻繁に起こるまばたきによってレンズとまぶたの裏側に摩擦が起こっています。また、オルソケラトロジーのコンタクトレンズは特殊な設計がされているため、就寝中にずれたりはずれたりすることはありません。そのため、一般的なハードコンタクトレンズに比べ、サイズが少し大きめになっています。

痛くありませんか?

慣れるまで装用感が気になるケースはあります。なお、痛みが合ったり、違和感が続く場合には使用を中止して、眼科専門医にご相談ください。

使い方が難しいようで不安です。

つけはずしの方法やお手入れに関しては、基本的に普通のハードコンタクトレンズと同じです。ただし、近視矯正用の特殊なレンズですので、必ず眼科専門医の指示に従ってください。

小児へのオルソケラトロジーは安全ですか。年齢制限や公的な位置づけはありますか?

日本では2009年に医療機器として承認されており、専門医の管理下で適応を見極めれば小児でも実施可能です(未成年は慎重適応として定期フォローが前提)。 近視進行抑制の有効性は研究的にも支持され、眼軸伸長の抑制効果が30~50%程度とする報告が多く、低年齢ほど抑制効果が大きい傾向が示されています。 ただし通常のハードレンズ同様の合併症リスクがあるため、適合検査・衛生管理・定期診察の徹底が安全性の鍵になります。

乱視が強いのですが、オルソは可能ですか?

従来の球面デザインでは角膜乱視が強いとセンタリング不良や矯正ばらつきが問題でしたが、アライメント部をトーリック化した乱視対応レンズの登場で適応が拡大しています。 角膜乱視の成分には有効ですが、水晶体乱視は矯正できないため、角膜形状解析で乱視の内訳を評価したうえで適応判断を行います。 乱視用OKレンズは完全受注生産が多く、フィッティング確認と微調整を前提に段階的に最適化します。

近視の進行抑制目的でも使えますか。どのくらい効果がありますか?

オルソは屈折矯正に加え、学童期の近視進行抑制でもエビデンスがあり、眼軸伸長の抑制で約3~5割の効果が見積もられています。 特に7~8歳開始で効果が大きいとの報告があり、慎重適応・定期管理のもとで実施されます。 低濃度アトロピンや多焦点ソフトレンズ等との比較や併用も検討され、生活・衛生面で実行可能性を評価して選択します。

就寝時にレンズをつけるのは危険ではありませんか。どんな副作用がありますか?

高酸素透過性素材で夜間装用が認められた設計ですが、充血・角膜上皮障害・アレルギー・微生物性角膜炎など、一般のハードレンズと同様のリスクはあります。 正しい洗浄・こすり洗い・ケース管理、体調不良時の中断、装用感の異常時の即受診など基本ルールが事故低減に直結します。 レンズの動きが乏しい・外しにくいなどはフィッティング過大のサインで、調整や一時休止が必要です。

見え方はどのくらい持続しますか。夕方に落ちるのは普通ですか?

初期は日中後半に低下することがあり、1~2週間で角膜形状が安定すると持続が延びるのが一般的です。 多くの症例で終日(8~16時間以上)の裸眼視が得られますが、個人差があり、生活時間帯に合わせた装用時間の最適化や補助眼鏡の併用で安定化を図ります。 持続に波がある場合はセンタリング・涙液・まばたき・装用時間の見直しで改善余地があります。

治療をやめたら元に戻りますか。イベントや受験期だけ使う運用は可能?

角膜形状は可逆的で、装用中止で徐々に元の屈折状態に戻ります(数日~数週間)。 この可逆性を活かし、スポーツシーズンや受験期など時期限定の運用も理論上可能ですが、効果の立ち上がり・持続を見越したスケジュール管理と、休止・再開時の検査が必要です。 長期で不規則になると日内変動が増すため、安定運用には一定の装用リズムを保つことが望まれます。

費用対効果はどう考えれば良いですか。レンズ寿命やランニングコストは?

オルソは自費診療が一般的で、初期費用(検査・レンズ)と定期検査費、ケア用品費がかかります(地域・施設で幅あり)。 レンズ寿命は素材や使用法で異なりますが、衛生管理と適切なこすり洗い・保存で耐用が延び、傷や沈着が見られたら交換判断となります。 近視抑制の期待や日中裸眼の利便性が得られる一方、継続管理の手間も含め、ライフスタイルと価値のバランスで検討します。

どんな人に向いていて、向いていないですか?

向いている例は、軽~中等度近視(施設の適応範囲内)で日中裸眼を望む人、屋外活動やスポーツが多い人、学童期で近視抑制を期待するケースなどです。 不向きな例は、重度のドライアイ、角膜疾患や円錐角膜素因、衛生管理が難しい生活環境、強度近視・強度乱視で適応外の度数、術後角膜などです。 初診では角膜形状解析・涙液評価・屈折・角膜内皮計測などを総合し、トライアル装用で実生活の適応可能性を確かめます。

この記事の執筆者

交野院 院長 大浦 淳史 おおうら あつし

略歴

  • 京都大学薬学部卒
  • 大阪大学医学部卒
  • 大阪厚生年金病院
  • 国立大阪南医療センター
  • 星ケ丘厚生年金病院眼科部長
  • たおもと大浦アイクリニック交野院 院長

資格

  • 医師免許
  • 日本眼科学会認定 眼科専門医
  • 難病指定医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医師

詳しくはこちら

香里院 院長 垰本 慎 たおもと まこと

略歴

  • 関西医科大学医学部卒
  • 関西医科大学附属病院
  • 小倉記念病院
  • 米国ジョンズ・ホプキンス大学
  • 天理よろづ相談所病院
  • 関西医科大学附属枚方病院
  • 関西医科大学香里病院眼科部長・病院教授
  • たおもと大浦アイクリニック香里院 院長

資格

  • 医師免許
  • 日本眼科学会認定 眼科専門医
  • 難病指定医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医師

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