流涙症について

流涙症とは

目から涙があふれて、目ヤニが溜まりやすくなったり、涙で視界がぼやける、目の縁がただれてくるなどの症状を引き起こすのが流涙症です。原因によっては、点眼薬で治療ができますが、薬で治療ができない場合は手術が必要となります。

流涙症の原因と治療(手術療法)

流涙症の原因は主に下記の3つが考えられます。

鼻涙管閉塞症(治療方法:涙道手術)

鼻涙管閉塞症涙は、通常まぶたの内側にある涙点という小さい穴から鼻へ抜けていく管(鼻涙管)を通って流れ出ていきます。鼻涙管閉塞症は、その管が細くなってしまったり、詰まってしまい、涙がたまって目からこぼれ出てしまう病気です。鼻涙管は加齢と共に細くなってくることもあります。お年寄りの方は、涙目以外にも、涙嚢炎でまぶたが腫れ・痛みを伴ったり、目の周りがかゆくなることもあります。
鼻涙管閉塞症を治療する方法としては、内視鏡を使って鼻涙管にシリコンチューブを挿入して涙道を広げる手術を行います。局所麻酔で内視鏡を使いながら手術を行い、約30分で行えます。手術後に経過観察を行い、涙道が広がったことが確認できれば、チューブを外します。

結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)

加齢に伴い眼の結膜(白目)がたるんでくることがあります。ヒトの眼は、涙が全体にいきわたるような構造になっておりますが、結膜のたるみが原因で涙をうまく留めることができず、眼が乾いてしまうことがあります。瞬きした時に違和感があったり、眼に異物が入っているように感じることもあります。

症状がひどくなると、手術治療が必要となり、たるんでしまっている結膜を元にもどす必要があります。手術は、片目で約5分、両目で約10分となります。

さかさまつ毛

さかまつ毛の原因としては、先天的なもの・加齢に伴って発症するものがあります。どちらもまぶたの皮膚が過剰にたるんでしまうことが原因です。まつ毛が、内側に生えたり(眼瞼内反症)、いろんな方向を向いてしまう(睫毛乱生:しょうもうらんせい)状態になってしまいます。さかまつ毛になると、眼がチクチクする、涙が出てくる、結膜(白目)が充血する、目ヤニがでるなどの症状があります。

治療方法としては、眼瞼内反症の場合は手術を行います(眼輪筋縫縮術)。下まぶたを切開して、外側を向かせる手術です。局所麻酔で約30分の日帰り手術です。睫毛乱生(しょうもうらんせい)の場合は、少量であれば、抜いてしまいます。

涙が目からあふれてくる、目ヤニが多く出る、目の周りがかゆいなどの症状がある場合は、なるべく早く当院へご相談ください。

この記事の執筆者

交野院 院長 大浦 淳史 おおうら あつし

略歴

  • 京都大学薬学部卒
  • 大阪大学医学部卒
  • 大阪厚生年金病院
  • 国立大阪南医療センター
  • 星ケ丘厚生年金病院眼科部長
  • たおもと大浦アイクリニック交野院 院長

資格

  • 医師免許
  • 日本眼科学会認定 眼科専門医
  • 難病指定医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医師

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香里院 院長 垰本 慎 たおもと まこと

略歴

  • 関西医科大学医学部卒
  • 関西医科大学附属病院
  • 小倉記念病院
  • 米国ジョンズ・ホプキンス大学
  • 天理よろづ相談所病院
  • 関西医科大学附属枚方病院
  • 関西医科大学香里病院眼科部長・病院教授
  • たおもと大浦アイクリニック香里院 院長

資格

  • 医師免許
  • 日本眼科学会認定 眼科専門医
  • 難病指定医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医師

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